« 2008年7月 | メイン | 2008年9月 »

2008年8月18日 (月)

国民生活金融公庫が初の知財担保融資

国民生活金融公庫が4月に知財担保融資サービスを開始していましたが,7月になって初めて融資を行ったようです。


国民生活金融公庫レポート
『知的財産権を担保とした融資を実行、国民公庫として全国初!』
http://www.kokukin.go.jp/pfcj/pdf/topi080804.pdf

2008年8月16日 (土)

振り込め詐欺救済法

平成20年6月21日から,振り込め詐欺救済法が施行されています。

この法律は,裁判所の手続きを経ることなく,金融機関が加害者の口座を凍結して,口座に残された預金を,被害者に分配(返金)する法律です。

金融機関は通報を受けると,警察からの情報や,取引状況などから,犯罪に使われたと疑う相当な根拠がある場合に,口座消滅の手続きを開始します。

まず,預金保険機構のホームページで,60日以上の期限を設定して,口座名義人(加害者と思われる者)に届け出るように公示します。

預金保険機構
http://www.dic.go.jp/

加害者が届け出ないときは,加害者は口座の権利を失います。

そして,預金保険機構のホームページにて,30日以上(現実には2カ月)の期限を設定して,被害者の募集公告を行います。

凍結された口座に振り込んだ人は,この時点で振込先金融機関に申し出ることで,分配を受けることができます。

振り込みをした金融機関を通じて,振込先金融機関に届け出ることも可能です。

この方法により,裁判手続きをしないで,被害者は救済されることになります。(ただし,加害者の口座に1000円以下の預金しかないときは,分配されません。)

なお,法律が施行される以前の被害者も,この法律によって救済されます。

法律施行の先後を問わず,振り込め詐欺の被害者の方は,まず金融機関と警察に相談をして下さい。

2008年8月 5日 (火)

死後の特許と著作権の利用法と改善点

有名な漫画家が他界されたとニュースになっていますので,相続人間で共有となった著作権及び特許の利用法と,改善すべきと思う点について,簡単に述べます。(あくまでコラムですので,条文は割愛します。)

(許諾を得て使う場合)
1.許諾を得て利用する場合については,特許は共有者の一人の許諾を得る他に,その他の共有者の同意を得る必要があります。
この点については,著作権も同様に,相続人全員の同意を得る必要があります。ただし,著作権の場合,「正当な理由」がなければ,他の共有者は同意を拒むことができないものとされています。

(譲渡を受けて使う場合)
2.共有者の一人から譲渡を受けて利用する場合については,特許は原則として他の共有者の同意を得なければならないとされています。ただし,その共有者一人の事業と共に譲渡をする場合は,他の共有者の同意は不要となります。
これに対して,著作権の場合は,共有者全員の同意がなければ譲渡できないものとされています。ただし,著作権の場合,正当な理由がなければ,他の共有者は同意を拒むことができないものとされています。

(共有者が自ら使う場合)
3.共有者が自ら利用する場合については,特許は他の共有者の同意を得る必要はありません。
これに対して,著作権は共有者全員の同意がなければ,利用することができません。ただし,著作権の場合,正当な理由がなければ,他の共有者は同意を拒むことができないものとされています。

(相続人がいない場合)
4.相続人がおらずに国庫に帰属する場合,特許の場合も著作権の場合も,権利が消滅すると規定されています。したがって,誰でも自由に利用することができます。ただし,著作権の場合は,(行為の性質及び程度,社会的事情の変動その他により,その行為が当該著作者の意を害しないと認められる場合を除き,)著作者が存しているとしたならば,その著作者人格権の侵害となるべき行為については,禁止されています。

(裁定による利用)
5.特許出願から4年経過した時点において,3年以上実施されていない場合と,自らの特許を実施するために許諾が必要な場合は,特許庁長官に裁定を求めることができます。また,流行する病気の特効薬など,公共の利益のために実施しようとする場合は,経済産業大臣に裁定を求めることができます。この裁定によって,権利者の許諾がなくても利用することが可能になります。このとき,裁定により定められた相当額を,権利者に支払う必要があります。
これに対して,著作権の場合は,探しても著作者が見つからない場合,文化庁長官に裁定を求めることができます。このときは,裁定により定められた相当額の利用料を供託する必要があります。また,裁定により著作物を複製した場合は,裁定の年月日と,裁定により複製した旨を記載しなければいけません。
なお,この他に,著作物を放送する場合と,商業用レコードに録音する場合は,一定の要件を満たしているときに限り,文化庁長官の裁定を受けて,文化庁長官の定める相当額の保証金を権利者に支払う方法によって,利用することもできます。

(保護される期間)
6.保護される期間については,権利の放棄などの無い限り,特許は出願から20年。最長でも25年で消滅します。
これに対して,映画以外の著作物の著作権は,原則として作者の死後50年で消滅します。

(改善すべきと思う点)
7.特許の改善すべきと思う点は,事業と共に譲渡する場合に,他の共有者の同意を得なくても良いとする点です。この規定を利用すると,他の共有者の権利に大きな影響が及ぶものと思います。
著作権の改善すべきと思う点は,死後の保護期間が長期に及ぶにもかかわらず,作家の相続人全員の許諾を得なければ,相続人自らであっても利用できずに埋もれてしまう点です。